各都道府県警へ開示請求を行う際に記載している内容

〇〇県警において刑法第百六十八条の二又は第百六十八条の三(不正指令電磁的記録に関する罪)に基づく取締り
その他の運用を行うにあたり、どのような内容をもって犯罪行為とするかの構成要件等を記載した文書(具体例を含む)

全国の都道府県警に開示請求をしているのはなぜか?

「不正指令電磁的記録に関する罪」をはじめとするサイバー関連の事件では、被害届が提出された先の都道府県警が、全国捜査を行う場合などが少なくありません。

※愛知県に居住する私が家宅捜索を受けた際も、家宅捜索を行ったのは埼玉県警でした。

つまり自分がどこに住んでいようと、どの都道府県警により捜査が行われるかは「不定である」という点を鑑みれば、全都道府県警に対する「不正指令電磁的記録に関する構成要件等」についての開示請求が必要と考えました。

また、全都道府県警から開示された「取締りの基準や構成要件等に違いはあるのか」、「開示される情報(黒塗り範囲)に違いはあるのか」についても比較し確認することも目的としています。

実のところ開示請求を行っても、どこの都道府県警においても同じ文書が返ってくるだけで、何の進展も得られない可能性も高いと思っています。

当初は、作業量の負担等を考えて、2県(埼玉、愛知)に対してのみ開示請求を行ってみようと思っていたわけですが、では他の都道府県警はどうなのかと気になるものです。

今後、本法をもとにcoinhive、無限アラート事件のような明らかに疑義が出るような検挙事例が出た場合に、「その都度各県警に対して開示請求を行う。」ということを繰り返していても、この事態の進展を得るのは難しく、それなら全ての都道府県に開示請求を行い現状把握だけでも行っておきたいと考えたました。そこで、既に有志の方が開示請求を行われている神奈川・兵庫を除く45都道府県警全てに開示請求を行うことにしました。(4/15追記:神奈川県警にも追加で開示請求を行いました)

※全国都道府県警を統括する「警察庁」への開示請求につきましては、実働部隊である各都道府県警からの開示請求結果を確認した上で、開示請求を行うかどうかの判断あるいは開示請求内容の検討をあらためて検討する予定です。

国会議員への陳情について

現在、「無限アラートのURLを掲示板に投稿し補導・書類送検された方が出た件」については、法的論点等も含めて全体像をまとめた記事を現在作成中です。

また、警察からの開示結果も見ながらになりますが、coinhive事件の際にも行った国会議員への陳情を行おうと考えています。(一般人としては、正攻法で現状を変えようとすると、立法府あるいは政府を構成する議員またはその関係者に訴えるくらいしか思いつきません。)

陳情書については、まだ検討中ですが有志で署名を集めた上で、興味をもって頂けそうな国会議員の方へ陳情したいと考えております。

主な陳情書の内容としては、「不正指令電磁的記録に関する罪」に関して、国会による「本法の適用範囲明確化のための改正または、解釈の明確化のための議論」を要望する内容とする予定です。

陳情書の内容については、これから開示状況等も見ながら詰めていく予定ですが、本件に興味をもって頂けそうな国会議員や関係者の方をご存知の方がいらっしゃれば記事のコメント欄か、お問い合わせフォームからご連絡を頂けると幸いです。

なお、前回陳情した際は、当時の衆参法務委員会の委員であった議員の方々を中心に陳情書を数十通出しましたが、返事はどなたからもありませんでした。(原則、そういうものだと思っておりますし、今回についても返事は期待していません。) ただ、前回は活動に気がついて下さった、ある議員の秘書の方からTwitter経由でご連絡を頂くことが出来ました。

開示請求状況(19/6/2更新)

都道府県警電子申請進捗状況独自資料有無備考
北海道警   リンク   公開済
青森県警リンク公開済
岩手県警公開済
宮城県警キャンセル
秋田県警リンク公開済
山形県警公開済
福島県警公開済
茨城県警リンク公開済
栃木県警公開済
群馬県警リンク公開済
埼玉県警リンク公開済
千葉県警リンク開示済開示対象が奈良県警と同一のため未公開
警視庁(東京都)キャンセル開示対象が奈良県警と同一のためキャンセル
神奈川県警リンク公開済@PokersonTさんが公開済
新潟県警公開済
富山県警公開済
石川県警リンクキャンセル県警内通達文書のみ
福井県警リンク延長中
山梨県警リンク公開済オンラインシステムで開示
長野県警開示済開示対象が奈良県警と同一のため未公開
岐阜県警公開済
静岡県警開示済開示対象が奈良県警と同一のため未公開
愛知県警リンク公開済
三重県警リンク公開済
滋賀県警リンク公開済
京都府警リンク公開済
大阪府警リンクキャンセル開示対象が奈良県警と同一のためキャンセル
兵庫県警公開済@ozuma5119様より受領
奈良県警リンク公開済
和歌山県警リンク公開済
鳥取県警公開済電子メールにより開示済
島根県警リンク公開済
岡山県警リンク公開済
広島県警リンク公開済
広島県 電子申請システム上にて交付済
山口県警公開済
徳島県警リンクキャンセル
香川県警キャンセル県警内通達文書のみ
愛媛県警キャンセル開示対象が奈良県警と同一のためキャンセル
高知県警リンク公開済平成23年7月8日付 警察庁丁情対発第136号、丁情解発第169号
福岡県警リンク公開済
佐賀県警公開済
長崎県警キャンセル県警内通達文書のみ
熊本県警開示済開示対象が奈良県警と同一のため未公開
大分県警公開済
宮崎県警公開済
鹿児島県警公開済
沖縄県警キャンセル

※「電子申請」欄が空欄になっている都道府県は、電子申請による開示請求が行えない

※「独自資料有無」欄にて「有」は都道府県警が独自に作成した文書が開示対象に含まれているもの

開示請求方針(19/4/12更新)

警察庁作成の文書(不正指令電磁的記録に関する罪の取締りの推進及び取締りに当たっての留意事項について(平成31年2月15日付 警察庁丁情対発第108号、丁情解発第27号)についてはその内容が全て開示されたため、各都道府県警ごとの文書の突合せ確認(各都道府県警ごとの黒塗り箇所を突合せるなどして文書の内容を出来るだけ読み取る作業)は不要となった。

まだ開示が行われていない各都道府県警については、開示対象となる文書を確認の上、以下の方針で手続きを実施する。

・開示対象が警察庁作成の文書のみ:開示手続き自体をキャンセル
・警察庁作成の文書以外に開示対象となる都道府県警にて作成した文書あり:都道府県警にて作成した文書のみを対象に開示請求手続き実施。なお警察庁作成の文書を受けて都道府県警内での通達文書がある場合については、一部の県警のみを対象にして参考までに開示請求を行う。

開示請求を行った際のメモ

電子申請について

・電子申請は、比較的簡単にできて、費用面からも手間の面からも使い勝手が良い。
・県によっては、公文書自体の開示請求自体は電子申請で可能でも、警察が所管する開示請求は対象外となっている場合もある。
・電子申請のシステム、入力フォームで求められる内容も全国的には統一されていない。ただし同じシステムを使っている県もある。

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